02. 萌動

 一護の温かい身体に手を伸ばした。浮き上がった腹筋に触れ、何度かそこを擦ったあとそれを胸に滑らせる。

「……っ」

 中心の突起を押すと、一護は身体を強張らせた。

「声我慢すんなよ。俺に聞かせろ」
「意地でも出すかよ、ボケ」
「そうかよ。んじゃ、これならどうだ……」

 そう言って俺はすっかり元気になっちまった一護の乳首を舌先で刺激してやる。

「ぁっ!」

 やべえ、マジでいい声出しやがる。素直な反応に俺は満足して笑みを零した。

「意地でも声出さないんじゃなかったのか?」
「だって……」

 分かってるさ、我慢できねえくらい気持ちよかったんだろ。けどこんなのはまだ序の口で、これからもっと快感に満ちたことをしてやる。
 今度は舌全体で胸の突起を中心にわきや首筋を舐め回す。どこもかしこも感じるのか、一護はしきりに声を漏らした。

「やらしい身体してんなあ。どこを攻めても感じやがる」
「違っ! そんなんじゃねえよ」

 じゃあどうしてそんな気持ちよさそうな顔してんだ。感じてるだなんて意地でも言わないつもりだろうが、そんなところがまた可愛い。
 今度は胸からへそにかけてのラインを行ったり来たりしてみる。そして太もも、足首、爪先、と徐々に下に降りていくが、肝心なところはあえて舐めない。
 太ももの辺りに再び戻ると、一護のそこが一瞬ビクついた。それでも俺は焦らすように周囲を攻め続け、一護が自分の口からお願いするのを待つ。

「なんで舐めねえんだよ」

 予想どおりの台詞だった。俺はついにんまりと人の悪い笑みを浮かべてしまう。

「なんだ、舐めてほしかったのか?」
「んなこと言ってねえだろ――あっ!」

 本当は舐めてほしいくせに。希望どおりに先端を軽く舐めてやると、欲を掻き立てる声が一護の口から飛び出した。

「やっぱ感じるんだろ? 仕方ねえよな、男のここは敏感だから」

 そう言って手に握ったモノを上下に扱く。

「お前も十五歳、盛んなお年頃。やっぱ自分でいじって抜いてるんだろ?」
「んなこと訊くなっ」
「オカズはなんだろうなあ」

 一人でヤってるの想像すると激しく燃えるな。そんなことを思いつつ、俺は言葉と手で攻めるのを続ける。

「なあ一護。お前今度から俺をオカズにしろ」
「ざけんな! 無理に決まってんだろうが、気色悪い」
「じゃあオカズにしたくなるくらい気持ちいい思いさせてやる」

 むしろ俺に惚れてほしいくらいだが、それはさすがにわがままがすぎるってもんだ。
 扱いているうちに俺の手は先走りの蜜でベトベトになっていた。一護のモノも、最初先端だけがわずかに濡れていたのが今はサオ全体が蜜に塗れている。
 俺は何の躊躇ためらいもなくそれを咥え込んだ。クチュ、クチュ、とわざとやらしい音を立てながら頭を上下し、なんとも言えないそれの味を堪能する。

「ぁっ……んっ……」

 男のモノを咥えるのは初めてだ。つーか、男相手にこういうことするの自体初めてで、一護を満足させられるか正直不安だったりする。
 裏筋を舐め上げ、亀頭をしゃぶり、一護の反応を確かめながら絶好のポイントを探り出す。

「ちょっ……やばいって」

 中心のくぼみを舌先で攻めると、一護は嫌がるように身をよじった。

「そうか、ここがいいんだな」
「違っ……ぁぁっ……も、違うって」

 そう言いつつもさっきより反応が激しくなっているのはそこが感じる証拠だ。身体は心より素直だから仕方ない。

「ぁんっ……ぁっ、あ……はあ……」

 抑えることを忘れているのか、それとも抑えられないほど気持ちいいのか、一護の声はいやらしさを増して止まらない。自分がどれほど淫らな姿をしているのか、それがどれほど俺のモノを追い込んでいるか、こいつ自身は知らないだろう。

「気持ちいいか?」
「気持ちよくなんかっ……ねえ」

 まだつまらない意地を張るつもりらしい。こんなに感じてやがるのに。
 窪みを念入りに舐めたあと、俺は再びそれを咥えこんで、喉に届くんじゃないかってくらい吸った。そのまま口の中で舐め回したり、上下に動かしたりする。

「あっ! いやっ、もっ……うあっ」

 今度は手で扱きながら先端をチロチロと舐め、一護を絶頂へと導く。扱く手を一護の手が引き剥がそうとするが、全然力がこもってなくて無意味に終わった。

「なあ一護、イきたいか?」

 あえてそう訊いたのは、次に仕掛ける意地悪の下準備といったところだ。

「中途半端に終わらせる気か?」
「お前が『イかせてください』ってちゃんとお願いできたらイかせてやる」
「なっ!? お前!」

 窓から差し込む月明かりに照らされた一護の顔が朱に染まる。

「寸止めは辛いだろ? イきたいんだったらちゃんとお願いしやがれ」
「そんなお願いできっかよ!」
「じゃあイかせてやらん」
莫迦ばかっ……親父の莫迦!」

 目にいっぱい涙を溜めて、一護は文句を垂れる。潤んだ瞳に見つめられると俺の気持ちも揺らぐが、やっぱりお願いされたいという願望は捨てられない。
 強情なこいつが意地張りながらもハレンチな台詞を口にする。想像するだけであそこが元気になるのを抑えられない。それを生で聞いてみたいと思うのは当然のことだろう。

「なあ一護、言ってみろよ」

 俺に聞かせてくれ。お前のお願い。
 今にも泣き出しそうな瞳に優しく微笑みかけて、頬にキスする。

「……イかせてくれ」

 その一言と同時に、一護の瞳から涙が零れた。それを指で拭ってやり、今度は唇を重ねる。

「男が泣くな」
「親父が泣かせてんだろうが」

 まるで小さい頃に戻ったように、俺に抱きついて泣き出した一護のオレンジ頭を撫でてやる。デカくなっても結局甘ちゃんなところは変わってないな。

「ちゃんとイかえてやるから、もう泣くんじゃねえ」

 そして俺は、限界の近い一護のそれを手に握った。





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